小金井歯科医師会

新しいフッ素の使い方

【令和5年11月号】
小金井歯科医師会 / 沼澤 秀之

 1月、う蝕(虫歯)予防とその治療を専門とする4学会合同で、フッ化物配合歯磨剤(フッ素入り歯磨き粉)の使用についての新しいガイドラインが示されました。
 昨年まで日本の医療安全の考え方では幼児から小学生向けフッ化物配合歯磨剤の含有濃度はFNaで1,000ppm以下と定められていましたが、これは欧米の基準に比べ非常に厳しく、日本人の子供たちはフッ化物の効果の恩恵にあずかり切れていなかった背景があります。
 今回は今年の法改正に伴い示された推奨される使用法を紹介したいと思います。

■歯が生えてから2歳まで

使用するっフッ化物配合歯磨剤の濃度は900~1,000ppmFで就寝時を含め1日2回のハミガキが推奨されうがいができない2歳までは使用した歯磨剤をほとんど飲み込んでしまうためごく少量の使用が推奨される。量としては米粒大程度を歯ブラシの先に乗せ使用する。※飲み込んだフッ素の量により永久歯に白い斑点が出るフッ素歯症のリスクが上がる。

■3歳から5歳

使用するフッ化物配合歯磨剤の濃度は900~1,000ppmFで就寝時を含め1日2回のハミガキが推奨され、量としてはグリーンピース大程度。子供が適量を出せない場合は保護者の方がお手伝いしてあげてください。ハミガキ後は少量の水を口に含み1回だけうがいをします。※何度もうがいをしすぎるとフッ素の効果が得られません。

■6歳から成人、高齢者まで

使用するフッ化物配合歯磨剤の濃度は1,000~1,500ppmFで就寝時を含め1日2回のハミガキが推奨され、使用する量は歯ブラシに1.5㎝~2㎝程度。みがいた後は少量の水で1回のみうがいをします。インプラントなどが入っていても自分の歯が残っている場合は使用が推奨されます。

 正しい使用方法を確認の上、虫歯の予防をしていきましょう。