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- 歯磨剤や洗口剤の薬効
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【平成28年11月号】
東京都小金井歯科医師会 / 松本 亨
歯磨剤(歯磨き粉、練り歯磨き)や洗口剤に書かれてある成分表には様々な単語が表記されていますが、その薬用成分を対策別に書いてみます。
【虫歯対策】
歯質の強化には、フッ化ナトリウム(フッ素、NaF)やモノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)。
歯磨き補助として、デキストラナーゼは歯垢を分解しやすくします。
【歯周病対策】
グリチルリチン酸や塩化リゾチームは、腫れた歯肉への消炎作用があります。
酢酸トコフェロール(ビタミンE)は血行を促進させます。
トラネキサム酸(TXA)は止血効果。塩酸ピリドキシン(ビタミンB6)は歯周炎で壊れた歯肉の修復に効果があります。
【虫歯菌にも歯周病菌にも殺菌効果】
塩化セチルピリジニウム(CPC)や塩化ベンゼトニウム((BTC)、クロルヘキシジン(CHX)などは歯や歯肉の表面にいる細菌に対して、
イソプロピルメチルフェノール(IPMP)などは深部に存在する細菌への殺菌剤です。
【美白効果】
ポリリン酸ナトリウムやピロリン酸ナトリウムは、歯の表面から色素を化学的にはがし浮き上がらせる効果があり、ポリエチレングリコール(PEG)はヤニ落としに。
研磨剤は無水ケイ酸(シリカ)がメジャーですが最近はマイナスイメージのため清掃剤などと表記されている場合があります。
ただし、歯磨剤や洗口剤はあくまで補助であり、これだけでは大きな効果は得られません。
歯ブラシ、フロス、歯間ブラシなどを正しく使い、時間をかけて上記の薬用成分を効果的に使用してください。