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歯の健康メモ
歯の摩耗と知覚過敏
【平成24年05月号】
東京都小金井歯科医師会 / 岩崎 宏

最近「知覚過敏」という言葉をよく聞かれると思います。冷たい水を飲んだり、冷たい空気を口で呼吸する際に、歯に強い痛みを感じる症状です。近年、歯の重要性に対する意識の向上から、歯磨きの習慣が拡がりました。それに伴ってさまざまな歯ブラシや歯磨きペーストが市販されています。虫歯や歯周病の予防としては大事なことなのですが、中には使い方を間違えると歯にとっては良くない結果を招く可能性のあるものも見られます。その一つが歯ブラシの硬さです。毛の硬いもので、握りを強くして激しく動かすと、いかに硬い歯の質でも摩耗してしまいます。また、強い研磨作用のある歯磨きペーストも多く見られます。これを毎日使用されていますと、研磨剤によって歯の摩耗がおきてきます。

歯はその部位によって構造や硬さが違いますが、特に歯の根元の部分は柔らかく、エナメル質も薄いので摩耗も早く進みます。さらに歯の神経までの厚みも薄く、この部分の摩耗が「知覚過敏」の多くの原因になります。

食べ物の好みには大きな差が見られ、極端に硬いものがお好みの方の歯には噛み合わせの部分に摩耗が見られます。また、レモンのような酸性の強いものや、炭酸の濃い飲み物を恒常的に摂取されている方では歯の表面全体が溶けるような摩耗が見られ、ともに「知覚過敏」の原因のひとつになります。

日本人の平均寿命は延び続けていますので、人の一生の間の歯の重要性も高くなっています。不要な歯のトラブルを避けるためにも歯ブラシや歯磨きペーストの選択、食生活の内容等で不明のある方はご遠慮なくお近くの歯科医院にご相談ください。