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歯の健康メモ
よく噛んで脳の活性化
【平成20年05月01日号】
東京都小金井歯科医師会 / 湯山 幸寛

(認知症の予防)

咀嚼(噛み)そしゃく 嚥下(飲み込み)えんげ の一連の行動は脳の支配領域の血流を増加して神経を活性化させることが証明されています。すなわち、食物を目で見て認識し、味を確かめ、噛んで飲み込む感覚や運動は全身をつかさどる脳神経の半分にもおよぶ領域を占めているのです。これが「よく噛むこと」は脳の活性化に重要な役割を持つ事実なのです。

さらに「よく噛むこと」は海馬という脳の領域に刺激を加えることが注目されるようになりました。

海馬は記憶をつかさどる重要な役割を担うところです。一般的に脳神経細胞は老化とともに減少の一途をたどり、これが記憶の低下を招くことは常識になっています。

ところが最近、海馬の脳神経細胞は刺激の受け方や、ストレスで急激に増減することが証明されてきました。近年、認知症の予防には、(1)有酸素運動、(2)栄養、(3)脳を働かせる、30分以内の昼寝などが提唱されてきました。そして最近さらに加えて「よく噛むこと」が注目されています。

「よく噛むこと」は海馬の脳神経細胞を増やすことが実験でわかってきたのです。すなわち、「よく噛むこと」は海馬を活性化して記憶の低下を防ぐことなのです。

次のことが提唱されています。ぜひ、実行してみてください。

「食前にガムを5〜10分噛むこと」

「一口、30回噛むこと」

最後に、「よく噛める歯や入れ歯であること」が大切なことです。