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歯の健康メモ
キシリトールとむし歯予防
【平成19年11月01日号】
東京都小金井歯科医師会 / 石塚 基晴

キシリトールは広く虫歯予防で知られる甘味料ですが、実は果物や野菜などに含まれて、プラム類には1%で最も多く、いちご、カリフラワーには0.3%、なす、レタスには0.1〜0.2%程度含まれます。ですから私たちは、少量ずつですが、食物として取っています。

しかし、その程度の量では虫歯の予防効果はないとされます。キシリトールの最大の特徴は、口の中の細菌に分解、発酵されないこと。

虫歯は、口に入ってきたショ糖を細菌が分解して歯垢こう中で酸を産生することにより、その部位のpHが5.5以下になって、歯が溶け出す病気です。その細菌の餌えさになるショ糖を、キシリトールなどの糖アルコールに変えることによって酸が作られなくなり虫歯を予防します。

また、初期虫歯の再石灰化にも関与します。間食事や毎食後にキシリトール入りガムやタブレットを摂取(1日10グラム程度)するのが効果的と思われます。

ただ、食品に含まれるショ糖をすべてキシリトールに変えることは現実的に不可能です。体重1キログラム当たり0.5グラム摂取すると下痢を起こす可能性が高いという副作用があります。また、キシリトールと他の虫歯誘発糖を一緒にとると効果がなくなります。

虫歯は細菌による感染症であり、生活習慣病でもあります。いろいろな要素が関係して発症します。食物の甘味料の一部をキシリトールにするだけでは防ぐことはできません。それゆえ、セルフの歯ブラシを徹底し、歯科医院で年2〜3回の定期健診を行うことが基本です。そのうえで、かかりつけ歯科医に食生活の相談をして、正しい虫歯予防を身につけてください。