歯の健康メモ
歯周病と狭心症・心筋梗塞
【令和元年11月号】
小金井歯科医師会 / 尾﨑 玲香
狭心症、心筋梗塞は動脈硬化により心筋に血液を送る血管が狭くなり、ふさがってしまい心筋に血液供給がいかなくなり、死にも至ることがある病気です。平成30年の死亡原因の第2位は心疾患です。
予防が重要な病気です。動脈硬化は、不適切な食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣が要因とされてきましたが、別の因子として歯周病原因菌などの、細菌感染がクローズアップされてきました。
歯周病原因菌などの刺激により、動脈硬化を誘発する物質が出て、血管内にプラ―ク(粥状の脂肪性沈着物)ができ、血液の通り道が細くなります。 プラークがはがれて、血の塊ができると、その場で血管が詰まったり、血管の細いところで詰まります。
最近では「心臓の手術をするので、その前に歯石の除去をするように病院でいわれた」と言って来院される方もいます。
歯肉の炎症はそのほかにも全身に影響を与えることが、昨今の研究で明らかになってきています。口腔ケアは毎日ご自身で行っていますが、自分一人できちんと行うのは難しいといわれています。きちんと磨いているから大丈夫と思わないで、かかりつけの歯科医院を見つけ、定期的に生活習慣も含めて口腔ケアを受けることをお勧めします。