小金井歯科医師会

歯の欠損と修復

【平成27年5月号】
東京都小金井歯科医師会 / 岩田 健男

歯がなくなると、残っている周囲の歯はその隙き間を埋めるよう移動します。
すると、歯と歯の間に食べ物が挟まりやすくなり、かみ合わせが変化することがあります。
また、多数の歯がなくなると、歯の支えがなくなり、口元の外見が崩れてきます。
具体的には、唇は薄く平たく見え、口元は寂しく平面的になります。
下あご周辺の皮膚のたるみも目立ってきます。
歯の欠損を修復するには、いくつかの方法があります。

[固定式ブリッジ]
1本または複数の失った歯の隙き間を埋めるために用いられる、取り外せない固定式の装置です。
固定式なので違和感は少なく、よくかめ、見た目も自然になるのが利点です。
ただし、欠損部の両脇の歯の表面を削って土台に使わなければなりません。

[可撤式部分義歯]
多数の歯を失って固定式ブリッジでは修復できない場合には、取り外し式の部分入れ歯で修復できます。
残った歯を土台にして入れ歯を支えるため、比較的安定し、かむ機能や見た目も回復されます。
ただし、取り外し式であるため違和感に慣れる必要があります。

[総義歯]
歯を全部失うと、取り外し式の総入れ歯でかむ機能と見た目を修復することになります。
最近では、歯の欠損の新しい修復法として、インプラントが注目されていますが、保険診療の適用外です。
1本から複数歯の欠損まで、固定式の入れ歯で修復できるため、違和感なく良くかめるのが利点です。
ただし、インプラントをあごの骨に埋め込む外科手術が不可欠なこと、および治療費用が高いことが欠点ともいえます。