歯の健康メモ
8020運動
【平成24年11月号】
小金井歯科医師会 黒米 哲也
8020運動をご存じですか。これは、80歳で20本の歯を残そうという活動です。永久歯は智歯(親知らず)を除いて28本あります。
なぜこのようなことを考えるようになったのでしょう。それは、残存歯(ご自分の歯)が多い人ほど病気で病院にかかることが少ないとわかってきたからです。
歯があることによってしっかり物を噛み、吸収が良くなるため内臓への負担が減り、内臓の病気が少なくなり、栄養もしっかり吸収され健康増進につながります。高齢者の問題になっている低栄養の対策にもなります。低栄養とは食事の量が少ないため必要な栄養量が採りきれない状態です。
加えて、物を噛んだ振動が脳に伝わり脳が活性化され認知症の予防や内分泌系の病気の減少にもつながります。 歯の数が少ない方や総入れ歯の方もしっかり入れ歯を入れて噛むことによりかなりの予防になります。 噛み合せがしっかりすることで姿勢も良くなり腰痛やひざの痛みの軽減につながる方もいます。
舌には味蕾(みらい)という味を感じる小さな突起が無数にあります。噛む機能の低下した方は味蕾の数の減少や機能の低下があるとも言われています。これらの現象によって味を感じづらくなり、濃い味のものを大量に摂取するようになるので、体にあまり良いことがありません。
1本1本は小さな歯ですが集まって機能することによりいろいろな予防に役立っています。健康に美味しく食べる。
健康都市小金井をめざしてがんばりましょう。 口腔内の検診、相談をおすすめします。