歯の健康メモ
口内炎について
【令和6年11月号】
小金井歯科医師会 / 菊田 拓也
時々、口や舌、頬に水疱のようなものができてしみるような感じや痛みを感じたことはありませんか。
実はその多くは、口内炎であることが多いです。口内炎の原因はストレス、疲労、栄養不足などの免疫力の低下や口の中をかむ、やけど、入れ歯の不具合や虫歯で歯が破折した部分や矯正の針金で粘膜が傷ついた時に見られます。口内炎があって食事ができない時は、刺激の強い食事は避けるようにしましょう。
また、濃厚流動食や栄養補助食品などを摂取することをお勧めします。
高齢者やお口の中が乾燥しやすい人は、粘膜が唾液によって保護されていない状態なので刺激を受けやく、より痛みを感じやすいので食事をする前には口の中を湿らしておき、食事の後は歯磨き粉を使わずに歯を磨くことが大切です。
口内炎にはビタミンB群が粘膜の健康維持に必要で、特にビタミンB2・B6は粘膜再生機能を補助し、ビタミンCは免疫の働きを強くするために効果的な栄養素です。
口内炎は1週間程で自然治癒します。または歯科医院で、ステロイド剤を含む薬の塗布により改善を図ることができます。2週間以上経過してもよくならない時やステロイドの使用により症状が悪化した場合などは、ウイルスや口腔がんなどの鑑別が必要です。
その場合は歯科医院を受診し、歯科口腔外科や耳鼻咽喉科へ紹介を受けてください。