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歯の健康メモ
糖尿病と歯周病
【令和元年5月号】
小金井歯科医師会 / 荒 善信

 糖尿病が疑われる成人は、1千万人、糖尿病予備群の人も含めると、2千万人と推計されています。そして、30歳〜50歳代の人の8割が(軽度のものから重度のものまで含めてということにはなりますが)歯周病にかかっていると考えられています。どちらもとてもポピュラーな病気となっているわけですが、この糖尿病と歯周病の間には、お互いの病気がもう一方の病気に影響を与える密接な相互関係があると言われています。

 糖尿病になると、免疫力が低下し、血管がもろくなり、傷が治りにくくなるため、歯周病が重症化しやすくなります。糖尿病は、喫煙と並んで、歯周病の二大危険因子です。

 また、歯周病という慢性炎症によって作り出される物質が、血糖値を下げる役割のインスリンの働きを妨げて、血糖値のコントロールを困難にするということも分かってきています。歯周病を治療することで糖尿病が改善するということも、報告されています。私たちも、日々の診療の中でそのように実感することがあります。

 糖尿病も、歯周病も、初めのうちは自覚症状のない病気です。現在、特に不自由を感じていなくても、定期的なチェックとケアをお受けになることをお勧めします